今回は静岡県静岡市にある久能山東照宮をご紹介します。
皆さんは東照宮と聞いてどこを思い浮かべますか?やっぱり日光でしょうか。
「水戸!」と間髪入れず答えてくださったあなたはきっと私の旅ブログをよく読み込んでくださってますね。ありがとうございます。
実は東照宮は日本に100以上存在し、全てが徳川家康のために作られました。有名な日光東照宮や以前私が紹介した水戸東照宮もその一つ。そして今回の久能山東照宮もそうです。
その中で、この久能山東照宮は特別な場所となっています。
なぜなら、「徳川家康が亡くなった時に最初に埋葬された」場所だからです。言わば大元の東照宮。
徳川家康の聖地巡礼には欠かすことのできない、久能山東照宮を今回ご紹介していきます。
アクセス
公共交通機関
JR静岡駅よりバス→「久能山下」から徒歩20分。
マイカー
①日本平まで車で行き、日本平ロープウェイで日本平より約5分。
(日本平までは高速道路の静岡IC、または清水ICからそれぞれ30分ほど)
②久能山下で民間駐車場に駐車した後、徒歩約20分。
久能山東照宮ってどんなところ?
久能山東照宮は静岡県静岡市にあり、徳川家康が祀られている神社です。
日光をはじめ日本には東照宮と名前がついているところがいくつも存在しますが、そのすべては家康のために作られました。明治になり廃社などもありましたが、それでも全国で100以上の東照宮が現存しています。
中でもこの久能山東照宮は大元と言われおり、家康が亡くなった際に最初に埋葬された場所です。日光や滝山と並び三大東照宮と呼ばれています。
一番有名な日光東照宮は、久能山東照宮の作り方を模して造られたそうですよ。
見どころ
外界と離れた世界観
久能山東照宮は、久能山の中腹に位置します。
そのため、久能山下の麓から1000段以上の石段を登ってくる、もしくは山頂方面から日本平よりのロープウェイで山を下りてくる必要があります。
この2種類しか参拝方法が無く、他の神社と違い圧倒的に足を運びにくい。
しかし、だからこそ守られている世界観があります。
外界から切り離されて、東照宮の音しかしない。東照宮の匂いしかしない。東照宮しか目に映らない。
これはなかなか難しいことで、街中にあったり平野に建てられるとそうもいきません。
車の音が頻繁にしたり、近くのレストランの匂いがしたり、ちょっと遠くにビルが建てられていたり。
久能山東照宮はそういったことがまるで無い場所で、古くからその世界観が守られ続けています。道路も石段の下までしかつながっていない場所ですからね。
そういった守られた場所に埋葬されたかったという家康の思いもあるのかもしれません。
また、久能山東照宮には「何の神社かわからないけどとりあえず行ってみよう」という人がほとんどいないんです。
目的が無いと近づくことがないためです。
ですので東照宮に参拝したい、歴史を感じたいという目的を持たれている方がとても多いため、静かに東照宮を楽しめます。
人はたくさんいるのに時間が止まったかのように集中できる不思議な感覚をぜひ味わってみてください。
神廟
神廟(しんびょう)は家康を実際に埋葬した場所です。こちらから移された日光東照宮にも同じ神廟があります。
こちらは家康の遺命で西向きに建てられています。その理由は、松平家(家康の生まれた家柄)の菩提寺である大樹寺や、家康が産まれた岡崎城、そして京の都へ続く道を見ているということなんだそうです。
神廟の周りはぐるっと一周することができ、周りには家康の愛馬が埋葬された碑や、家臣に言い伝えた「金の成る木」があります。
正面だけで参拝して戻ってしまうと見られないので注意です。
久能山東照宮の神廟は重要文化財に指定され、大切に保護されています。
梅
徳川家康は生前に梅をこよなく愛したと伝えられています。
この家康梅は、家康の十一男が産まれた際、出産の祝い、また成長の無事を祈り家康自身が植えて育てたと伝えられています。その際は居城であった浜松城で育てられ、水戸に移された後に接ぎ木して久能山東照宮に送られました。
また唐門の前にある白梅は、家康が駿府城で育てたと伝えられています。その後明治時代になり、この久能山東照宮へ送られました。
自らが育てた梅が続々とこの久能山東照宮に集まってきたところを見ても、家康どれだけ梅を愛していたかということや、久能山東照宮がどれだけ重要視されているかわかってきますね。
景色
久能山東照宮は先ほどから申し上げている通り山の中腹にあります。標高は216mとされていて、とても高いところからの景色を見ることができます。
そして東照宮の眼前には、駿河湾が広がります。
これは景色いいに決まってるでしょう。
オススメのスポットは社務所や楼門がある付近からの景色。
絶景スポットに来たのかと思うほどの景色ですよね。西側が良く見えるので、夕暮れなどは特にきれいです。
逆さ葵
徳川家の初代将軍を祀る東照宮だけあって、いたるところに「葵の御紋」があります。
その中で、逆さまになっている御紋があるんです。
わかりますかね。真ん中らへんのやつです。
こういったものがいくつかあるんです。
某夢の国の隠れなんちゃらみたいですよね。
これは何も作るときに茶目っ気を出したわけではなく、ちゃんとした意味があります。
それは、完全なものはいつか魔物が取りつき滅ぶといわれていたため、未完成のままにしているのだそうです。
この考え方は久能山東照宮だけでなく、日光東照宮でも柱を上下逆につけているものがあったりします。
栄えたものは必ず滅ぶ「盛者必衰」という言葉も仏教の教えにあり、勤勉であった家康はその教えを後世まで伝え、完成品を恐れたのかもしれませんね。
まとめ
今回は静岡県静岡市にある久能山東照宮をご紹介しました。
修学旅行やその他旅行で、日光東照宮に行かれたことがある人は多いかもしれません。
確かに作りは日光東照宮に似ています。祀られているのもどちらも家康。
それでもこの久能山東照宮の空気は全く別のもの。神聖なものを感じることができます。
ぜひ足を運んでみてください。
周辺の静岡のスポットも別の記事でご紹介していますので、合わせてお読みいただけたら幸いです。
それでは最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。